危険な闇サイトの実態と闇サイトから身を守るための知識

ネット上にある膨大な数のサイトは、私達が知りたいと思う情報を提供してくれる強い味方です。しかし一方で、危険な物や情報がやり取りされている「闇サイト」という存在もあります。

物事には表と裏があるように、一般的に利用されているサイトがネットの表の顔だとするならば、闇サイトはネットの裏の顔ということになります。

ネットが社会的に欠かせないものとなり、非常に身近なものとなっている現代では、ネットの裏の顔である闇サイトの存在を知らないと、気づかないうちに事件や犯罪などに巻き込まれてしまうということもあり得ます。そのようなリスクを未然に防ぐために、闇サイトの実態と、安全にネットを利用するための対応策について解説します。

闇サイトが持つ危険性

闇サイトが危険だとされているのは、犯罪に関わるような情報が掲載されているからだけではありません。闇サイトが持つ真の危険性とは、ネットだけでなく現実にも凶悪な影響を及ぼすことです。興味本位で自分の身を危険に晒してしまうことがないように、闇サイトが現実に与える影響とはどのようなものなのか確認していきましょう。

闇サイトから現実の刑事事件が起きている
ニュースで度々、ネットを通じて見知らぬ者同士が犯罪に手を染める事件について報道されることで、闇サイトの存在と危険性を知ったという方は多いと思います。

闇サイト上でのやり取りが現実のものとなり、刑事事件へと発展する例は多く報告されており、最悪の場合人の命を奪ってしまうこともあります。

その懸念が現実になった痛ましい事件がありましたが、これらの事件では動機の安易さと手口の残酷さから、世間や司法のネットに対する常識を覆す契機にもなりました。

容易に犯罪に手を染めてしまう
闇サイトでは、普通に暮らしていれば接触する機会はほぼないといえる違法薬物や拳銃などが当たり前のように売買されており、興味本位でこれらのものを買ってしまうと、所持しているだけで犯罪者になってしまいます。また、お金さえ払えば違法行為を引き受ける者もいるため、たとえ軽い気持ちでも依頼してしまうと、依頼者自身も罪に問われる可能性が高くなります。

ネットを介している安心感からか、多くの人は軽い気持ちで普段はやらないような行動を起こしてしまう傾向が強く、その結果として闇サイトと関わることで、安易に犯罪に手を染めてしまうのです。

ハッキングされた個人情報が拡散してしまう
企業などの不手際によりクレジットカードの情報が流出したという報道がされた時、その報道に接したほとんどの方は危機意識を強く持ったと思います。では、なぜ危険だと感じたのでしょうか。

そこには、流出したカード情報が何者かの手に渡り、悪用されているのではないかという不安や懸念があると思います。

それに対する1つの答えとして、闇サイトでの売買が挙げられます。闇サイトではクレジットカード情報が売られているため、それを手に入れることでなりすまして買い物などができてしまいます。こちらは、2019年時点で実際に存在している闇サイトです。ご覧のようにPayPalというオンライン決済アカウントやクレジットカードの情報が違法に販売されています。これらはすべて、何らかの方法で不正に入手された情報です。

また、売買されているのはクレジットカード情報だけでなく、SNSのアカウント情報あらゆる個人情報が対象となり、拡散されています。そうしてハッキングにより流出した個人情報が闇サイトを通じて誰かの手に渡り、金銭以外の何らかの目的のためにも利用されるリスクが潜んでいるのです。

闇の住人との接点ができてしまう
興味本位で闇サイトにアクセスし、何かしらのコンタクトをする、売っているものを気軽に買ってしまうなどしてしまうと、普段は関わる機会がない闇の住人との接点ができてしまいます。そのような接点ができてしまうことで、最初は興味本位でしかなかったような悪事にちょっとした報酬で手を染めてしまったり、そのような行為がエスカレートしてしまい、いつのまにか犯罪者となってしまうリスクがあります。最悪の場合、殺人など凶悪犯罪に結果的に加担してしまったり、濡れ衣を着せられてしまう可能性すらあります。

これらのリスクは他人事ではなく、闇サイトに関わってしまった全ての人に、平等に降りかかるリスクです。

闇サイトをめぐる動き
これまでに述べた通り、闇サイトは単にネット上だけの危険ではなく、現実に人命を脅かすほどの危険性を持つものです。そのため、闇サイトの存在が明るみになるにつれて、それに対処しようとする動きも活発になってきています。

世界で最も有名な闇サイト「シルクロード」の摘発
シルクロードは世界で最も有名な闇サイトの一つであり、特別な環境でしか見ることができないダークウェブ上に存在していました。そこでは違法ドラックに、盗み出されたアカウントやクレジットカード情報などといった個人情報など、ありとあらゆる違法物品が売買されており、まさに違法取引の温床でした。

このように、犯罪者達の巨大インフラの役割を果たしていたシルクロードの存在を知ったFBIはあらゆる手を尽くして捜査を進めていき、2013年にこの闇サイトは摘発され、閉鎖という終焉を迎えることとなりました。

捜査当局の捜査技術が向上
闇サイトの問題が明るみになってからは、一般の闇サイトはもちろん、シルクロードのように所在場所がダークウェブであってもサーバーや運営者を特定する手法や技術が向上しており、摘発事例が増えてきています。

ダークウェブから一般のウェブに闇サイトが拡大
ダークウェブでも摘発されるのであれば、一般のウェブでゲリラ的に違法物品を販売しようとする者も出てきています。

例えばダークウェブの代わりとして利用されているものの1つに、SNSがあります。TwitterなどのSNSを利用して違法薬物の売買を行う事例や、刑事事件に発展する可能性があるやり取りや依頼も報告されており、実際に事件に発展したケースもあります。

闇サイトの危険から身を守るための対策
闇サイトの危険性をご理解いただいたところで、実際に身を守るための対策を知っておきましょう。何らかの理由で闇サイトを見てしまったとしても事前に対策を知っておけば、身を守るうえで必ず役に立つはずです。
興味はあっても検索しない
見てはいけないと言われるほど見たくなる気持ちは分かりますが、興味本位で検索して見つけてしまった場合、闇サイトを自らの意思で見ることになります。興味はあったとしても、自ら危険に身を投じるような行為はしない方が賢明です。

もちろん、ダークウェブを閲覧するための専用ブラウザを探してインストールすることも、やめておくことを強く推奨します。

闇サイトを見つけても閲覧しない
万が一闇サイトを見つけたとしても、決して閲覧しないようにしましょう。犯罪者が運営している可能性が高いサイトということもあり、サイトにアクセスしただけで脆弱性を悪用する攻撃が始まる可能性も否定できません。(攻撃されたことは分かりません)ほんの少しアクセスしただけで、そのような形で闇の住人に狙われる可能性もあります。危険の大きさから考えても闇サイトを仮に見つけてたとしてもアクセスするのは賢明とは言えません。

闇サイトでは何も買わない、依頼しない
そもそも闇サイトで取引されている情報や物品の大半は一般では売ることができないもの、犯罪に関わる違法性の高いものです。従って、闇サイトで売買することはもちろん、軽い気持ちで依頼をするだけでも犯罪に関わる可能性が高いので、一切関わりを持たないことが基本中の基本です。

万が一何かしらの関係を持ってしまった場合、自分が犯罪者になるリスクだけでなく、被害者になる可能性もあることを考えましょう。

闇サイトで一切の痕跡を残さない
もし闇サイトを見つけてアクセスしてしまったとしても、そこに一切の痕跡を残さないことが危険から身を守る基本となります。書き込みや、個人情報の記載などは論外です。

ほんの少しの痕跡でも探知されてしまったり、自分の知らないところで個人情報が暴かれて売買されるなどといった危険があるのが闇サイトであるため、少しでも関わりを持ちそうなものは全て断ち切ることが非常に重要です。

まとめ
人は見てはいけないと言われたものは、逆に見たくなってしまうものです。しかし、それが闇サイトである場合、見てしまった時のリスクは計り知れないものがあります。自分だけでなく、家族や知人の安全を確保するためにも、万が一に備えて闇サイトの正しい知識を身につけ、適切に対処できるようにしておきましょう。

闇サイトから身を守る一番の方法とは、とにかく一切の関わりを持たないことなのです。